株式の上場廃止とその影響

昨今のコロナウィルスのせいで、倒産したり、倒産を危惧されたりしている企業が続発しています。上場企業が倒産すると、証券取引所における「上場廃止」ということが生じます。ただ、すぐさま廃止にすると、株主に多大な損失を与えるため、廃止されるまでに経過措置が採られます。株主はその内容を把握しておくことが必要です。

●上場廃止における基準
証券取引所には上場廃止の基準が設けられており、上場企業が倒産したり、正常な取引ができなくなったりすると、上場廃止とされます。以下などのことが上場廃止の基準になっています。
1)銀行取引の停止や破産手続き、事業活動の停止が行われた。
2)債務超過の状態を1年以上解消できていない。
3)株式の流通量が以下のようになり、適正さを失った。
・株主数が400人未満
・流通する株式数が2,000単位未満
・流通する株式の時価総額が5億円未満
・直近1年間の出来高が月平均で10単位未満、または3ヶ月間売買が未成立

●監理銘柄や整理銘柄
上場企業が上場廃止される場合、通常では「監理銘柄」に指定された後、「整理銘柄」になるという手順が踏まれます。
1.監理銘柄
上場企業が廃止基準に抵触する恐れがあると、証券取引所ではその銘柄を「監理銘柄」に指定します。このことは、株主に対する告知を目的としています。監理銘柄には「審査中」と「確認中」の2つのステップがあります。
1)審査中
有価証券報告書への虚偽記載や、上場条件に対する重大な違反行為など、上場企業としての資格を審査する必要の出た場合が対象とされます。なお、審査において、業務内容や財務報告など、内部管理体制の改善が必要と判定されると、当該株式は「特設注意市場銘柄」に指定されます。
2)確認中
流通量に適正さを欠いた場合や、有価証券報告書の提出遅延など、審査するほどではなく、時間の経過によって解消する可能性のある場合が対象になります。

監理銘柄に関しては、売買が停止されることはなく、売買の継続中に上場廃止の適用範囲から脱すれば、監理銘柄の指定が解除されます。

2.整理銘柄
監理銘柄に指定されて以降、環境が改善されないことで上場廃止が決定すると、「整理銘柄」に指定されます。整理銘柄は原則的に、1ヶ月間取引された後、上場廃止になります。なお、上場廃止が破産や解散を原因とする場合は、取引期間が2週間に短縮されます。

●上場廃止された株式
上場廃止された株式は以下の状態になります。
1.企業の倒産
株式の価値は当然ゼロとなります。なお、株主には「残余財産分配請求権」があるため、企業に財産が残っていれば、株式数に応じて財産の分配を受けることができます。しかしながら、実態としては倒産するような企業から分配を受けられるケースはまずありません。

2.企業が存続
上場廃止された企業の株式の価格は、当該企業の業績や財務状況から算出された「理論株価」になります。上場が廃止された企業の株式でも、証券取引所が関与しない投資家間による相対取引での売買は可能です。また、配当があれば、当然受領することができます。

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